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デジタルパンフレット『迷える子シープたち』


【公演概要】

タイトル:朝カフェ芝居『迷える子シープたち』
作・演出:保科由里子
出  演:小早川俊輔、多岐川装子、関根麻帆、妃白ゆあ、久野飛鳥(ピアノ)
     ゲスト【6/12, 13】 樋口麻美、【6/16, 17, 18, 19】 岸祐二、【6/20, 22, 23】悠未ひろ
会  場:有楽町 micro FOOD & IDEA MARKET 
(東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル1F)
TICKETS

【キャスト】
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◆小早川俊輔 SHUNSUKE KOBAYAKAWA (タイガ)

大阪府出身。早稲田大学演劇研究会を経て、 2013年につかこうへい作の舞台『飛龍伝』で俳優デビュー。 高い身体能力を生かし『テニスの王子様 3rdシーズン』『プリンス・ オブ・ストライド THE LIVE STAGE』に出演し一躍人気を博す。『白痴』『銀河英雄伝説 Die Neue These』『クロードと一緒に』では主演を務めるなど、 舞台を中心に研鑽を積んでいる。近年はドラマ「チョコレート戦争 〜朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり」(tvk)や「 警視庁捜査一課長2020」(EX系)「MIU404」( TBS系)映画「HERO~2020~」 など映像でも活躍している。テレビでは、tvkの情報番組「 猫のひたいほどワイド」 に2021年まで7年間レギュラー出演し、 レポーターを務めるなどバラエティ経験も豊富。

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◆関根麻帆 MAHO SEKINE (就活生)

3歳からバレエを初め、14歳の時にイギリスのエルムハーストバレエスクールに単身留学。多くの公演に出演する。帰国後、劇団青年座研究所入所。その後劇団四季に入団。『魔法をすてたマジョリン』の主演のマジョリン役、『思い出を売る男』の花売り娘はるみ役をはじめ、
ミュージカルからストレートプレイまで幅広く、数多くのメインキャストを演じている。退団後、音楽座ミュージカルの『Love of seven dolls~七つの人形の恋物語~』に主演のムーシュ役で出演。また2018年に上演した『父と暮せば』(演出:保科由里子)の美津江役に於いて演劇評論家の江森盛夫氏の選ぶベストワン主演俳優として推挙される

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◆多岐川装子 SOKO TAKIGAWA (占い師)

大阪府出身。立教大学経済学部卒業。劇団ふるさときゃらばんに10年間所属し多くの劇団作品に出演し日本全都道府県を周る。退団後は宮本亜門演出『スウィーニー・トッド』『三文オペラ』『狸御殿』他、『ラ・カージュ・オ・フォール』『屋根の上のヴァイオリン弾き』『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳』『ポーの一族』等のミュージカルや蜷川幸雄演出の『身毒丸』『あゝ、荒野』『海辺のカフカ』等。村上春樹原作『海辺のカフカ』ではワールドツアー、フランスパリ公演にも参加。都内ライブハウスで主にシャンソン歌手としても定期的に活動。

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◆妃白ゆあ YUA HISHIRO (お店の人)

滋賀県出身。宝塚歌劇団に92期生として入団。『ロミオ&ジュリエット』『オーシャンズ11』『ナポレオン』『おかしな二人』『風と共に去りぬ』などに出演。2016年に『こうもり、THE ENTER TAINER』で退団。退団後は女優として舞台を中心に活躍。近年の主な出演作品に『デスノート THE MUSICAL』『PIPPIN』『キス・ミー・ケイト』『リビングルームミュージカル』『ベルサイユのばら45』『ローマの休日』等に出演。舞台を中心に活動する傍ら、ダンスクラスや宝塚受験生のレッスン、ジャイロトニックトレーナーとしても活動する。

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◆樋口麻美 ASAMI HIGUCHI (6/12、6/13出演ゲスト)

小学校の頃からクラシックバレエ、ジャズダンス、タップダンス、ピアノ、声楽を学ぶ。高校生の時に劇団四季に合格。『ライオンキング』『夢から醒めた夢』『アイーダ』『南十字星』『クレイジー・フォー・ユー』『ウエストサイド物語』『ウィキッド』『コーラスライン』『キャッツ』『壁抜け男』『李香蘭』など数々の作品で主要な役を演じた。『マンマミーア!』ではソフィとドナ両役を務めた世界初の女優となった。退団後もコンサートやミュージカルなど多岐に渡り活躍中。

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◆岸祐二 YUJI KISHI (6/16、6/17、6/18、6/19出演ゲスト)

東京都出身。1996年、特撮『激走戦隊カーレンジャー』(EX)の主役でデビュー。俳優として舞台、映画、ドラマで活躍。声優として洋画やアニメの吹き替え、ゲーム「ストリートファイター」ケンVOICE等で人気に。橋本さとし・石井一孝とのユニット「MonSTARS」としても活躍中。近年の主な出演作品に【舞台】『メリリー・ウィー・ロール・アロング』『新テニスの王子様』『ナイツ・テイル』『ロミオ&ジュリエット』『ペテン師と詐欺師』『In This House~最後の夜、最初の朝~』【ドラマ】『陸王』(TBS)など。格闘技RIZINリングアナウンサーとしても活躍中!

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◆悠未ひろ HIRO YUUMI (6/20、6/22、6/23出演ゲスト)

11月5日生まれ、東京都出身。1997年、宝塚歌劇団に入団。宙組の男役スターとして『逆転裁判3』など数々の舞台で17年間活躍し、『風と共に去りぬ』で2013年に退団。退団後は、『MOON SAGA-義経秘伝-第二章』『NARUTO』『花園』などの芝居やミュージカルの舞台に出演。長身を活かしたダイナミックなパフォーマンスと、のびやかな歌唱を活かし、舞台にコンサートにと幅広く活躍している。

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◆久野飛鳥 ASUKA KUNO (ピアノ)

1997年東京都出身。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。学内において長谷川良夫賞受賞。ミュージカル団体『東のボルゾイ』『20's』を主宰し、舞台音楽、特にオリジナルミュージカルの作曲を中心に活動している。主な作品は、ミュージカル『なんのこれしき』『夢拾夜』『Liar』舞台『お月さまへようこそ』『SPRING AWAKENING』など。ミュージカルやコンサート、Cafe&Diner『Offza』で演奏するなど、伴奏者としても幅広く活動中。

【作・演出】
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◆保科由里子 YURIKO HOSHINA

俳優。劇作家・演出家。翻訳家・訳詞家。演技・歌唱・英語指導。日本大学芸術学部音楽学科声楽コース卒業後、単身渡NY。HB Studioにて演技の基礎などを幅広く学び、卒業後は演技をJamie Richards氏に、歌をAdrienne Angel氏に師事。以後、OFF、OFF-OFFブロードウェイの舞台を中心に活動。同時に、 学生映画、自主制作映画、TVなどの映像作品にも多数出演。NY唯一の日本人キャバレーパフォーマーとしても、ワンウーマンミュージカ ルコメディキャバレーショー(エロさ皆無の歌うスタンダップコメ ディショー的な1人ショー)を7年間セルフプロデュース・作・主演 する。2005年「紙風船」(作:岸田國士、演出:小川絵梨子)の英語上演による演技を評価され、NYTimes紙に劇評が掲載された。11年2ヶ月のNY生活を終え、帰国。 現在は、小劇場から商業作品まで、学校公演から2.5次元まで、ミュージカルからストレートプレイま で、舞台を幅広く活動中。チームホッシーナ主宰。

スタッフ:音響 小川陽平
協  力:金益研二

主  催:夜明けの劇場 Theatre at Dawn

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お手軽・オシャレ・おなかいっぱいになる!

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本日の"3O"レシピご紹介
レシピ監修・撮影:占い師(多岐川装子)
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6/12 ミネストローネスープ

野菜とベーコンをトマトジュースで煮るだけ。
​翌日はカレールー入れたらスープカレー。

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6/13 生春巻き

ライスペーパーをふやかして野菜を巻くだけ。
​中身はお好みで海老やらスモークサーモンやらなんでも。



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6/16 肉肉のっけごはん

牛コマ焼いて、焼肉のたれからめてごはんにのっけるだけ。

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​6/17 長芋ベーコン焼き

​長芋とベーコン炒めてめんつゆをちょいがけするだけ。
キノコ類を足すとボリュームアップ。​

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​6/18 タラのポワレ

タラの切り身を焼くだけ。市販のバジルソース等かけたかったら。

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6/19 ハニーマスタードチキン

鶏肉焼いて、ハチミツ+マスタード+酒、を絡めるだけ。

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6/20 サヴァ缶のチーズ焼き

半分をトマト、タマネギ、チーズを重ねてオーブンでチンする。
​半分は「サヴァ缶のリエット」つぶして、タマネギ、マヨネーズ、クリームチーズを混ぜてクラッカーに載せるだけ。

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6/22 ピーマンの肉詰め

挽き肉練ってピーマンにつめて焼くだけ。

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6/23 サヴァ缶のトマトソースパスタ

サヴァ缶炒めてトマトソースまぜたらパスタにかけるだけ。

カレン(馬)とタイガ(小早川)の9日間のあゆみ
エアー乗馬監修:小早川俊輔
1日目:リンゴをあげた。食べてくれなかった。
2日目:リンゴを食べてくれた。ブラッシングはできなかった。
3日目:リンゴを食べてブラッシングさせてくれた。足の裏のメンテナンスはできなかった。
4日目:リンゴを食べてブラッシングできて足の裏のメンテナンスさせてくれた。クッションは載せられなかった。
5日目:リンゴを食べてブラッシングできて足の裏のメンテナンスできてクッション載せさせてくれた。鞍は載せられなかった。
6日目:リンゴを食べてブラッシングできて足の裏のメンテナンスできてクッション載せられて鞍も載せられた。腹帯は巻かせてもらえなかった。
7日目:リンゴを食べてブラッシングできて足の裏のメンテナンスできてクッション載せられて蔵も載せられて腹帯を巻かせてもらえた。サポーターは巻かせてもらえなかった。
8日目:リンゴを食べてブラッシングできて足の裏のメンテナンスできてクッション載せられて蔵も載せられて腹帯を巻かせてもらえてサポーターも巻かせてもらえた。でもカレンには乗れなかった。
9日目:リンゴを食べてブラッシングできて足の裏のメンテナンスできてクッション載せられて蔵も載せられて腹帯を巻かせてもらえてサポーターも巻かせてもらえた。そしてカレンに乗れた。カレンに乗れた!

作・演出 保科由里子の
演出家ノート「朝カフェ連載 迷える子シープたちへの想い」
第一話『なぜこの作品を創ったのか』
6月12日に初日を迎えた朝カフェ芝居「迷える子シープたち」は2回の公演を終え、16日から鬼の超早朝連続公演が始まります。恐ろしいです。
さて、「作・演出のご挨拶」として、毎公演テーマを決めて作品についてお話していくことになりました(お題は主催の平野さんにご提案頂きます)。9回公演で9回連載。既に2回の公演は済んでいますが、まぁまぁ良いじゃないですか、お話したいことも沢山ありますし、全9回公演9連載ということで。ご観劇前でもご観劇後でも、はたまたご観劇を悩んでいる時でも、お楽しみ頂けるよう書き進めて参りたいと思います。しばし、お付き合い下さいませ。
 
「朝カフェ連載 迷える子シープたちへの想い」の第一話は『なぜこの作品を創ったのか』です!なぜ、わざわざ、今。そうねぇ、なぜ、、、いくつか理由はありますが、1番大きな理由は、今生活に笑いが少ないと思ったからです。まぁ私の生活に、足りてないだけなのかもしれません。だって以前より人に会わないですし会食もしないですし、てことは笑うことは少なくなってますよね?え、私だけ?いやいやそんなことはないでしょう、皆さんの生活だって、以前に比べれば笑いは少なくなっているはず。ですよね??
笑うというのは、つまり楽しいってことです(苦笑とか失笑とか嘲笑とかもあるけどさ)。私は、お客さんにも、仲良くしてる俳優やスタッフさんにも、私自身にも、楽しい時間を提供したいと思いました。笑うにはエネルギーが必要ですが、笑うと力が湧いてもきます。笑うって元気になるですよ。気持ちが軽くなるですよ。
私はシリアスドラマも書きますし演出もしますが、楽しい作品が好きです、書くのも創るのも観るのも。楽しいというのは、笑うということだけではないけれど、毎日の暮らしとか人生とか楽しいだけじゃないから。日常にはつらいこともつまんないことも哀しいことも沢山あるから。だから、自分がお金や時間を費やして受け取る物語は、楽しいものが良いなぁと思うのです。笑えたら尚良いなぁと思うのです。自分の魂が喜ぶことをする。
だから、笑いが少ない今、楽しい作品を創ろうと思ったのでした。(続く)
第二話『この作品に込めた想い』
​ さて。早速第二話です。『この作品に込めた想い』って。お題が壮大だよ。いや壮大じゃないか。もはや壮大なのか壮大じゃないのかわからない。
込めた想い、なのかどうか分からないのだけれど(分からんのかい)、自粛期間などを通して以前よりも意識的になった考えがいくつかあって、ひとつはどんな人でも影響し合っている影響受けあっているということ、もうひとつは、成長することが全てじゃないってことです。
私は長い間、そりゃもう芝居を書くようになってからずっと、最後に一歩踏み出す系の成長物語を多く書いてきました(特にオリジナルは)。書いてる時はそうは思ってなくても、やっぱりいつもどこかで成長したいと思ってたからですよね、今よりもベターな自分になりたいって。今よりもベターにならないといけない、という強迫観念に似た思いすらありました。ちょっと話がズレますが、私は自分が「not enoughである」とずっと思っていて、今だってちっとも「enough」ではないけれど、「not enough」な自分はダメな人間なんだって思わなくなっただけで、今も「not enough」だとは思ってます。「not enough」な自分を受け入れただけです、別に「not enough」のままで良いとは思ってるわけではなく。ちょっとややこしいね。
話がそれましたが、つまり、だから、成長物語が好きなのかなぁと思います。まぁ、でもみんな好きですよね、成長物語。私も今でも好きだけど、このコロナで、成長することが全てじゃないんだと分かりました。概念としては知ってましたよ、でも、ピンと来てなかったっていうか、自分とは関係ないと認識してたっていうか、成長しなくちゃいけないって思い込んでたから成長しなくても良いなんて思い至ることすらなかったっていうか。狭いでしょう、考えが狭かったなぁって思います。狭くて、つまらない考えだった。
あぁそうか、以前より意識的になったこの二つの想いを作品に込めたんだな、私は。(続く)
第三話『音楽について』
​ 今回、この規模の企画としては珍しいことに、生でピアノ演奏をしていただいてます。東京藝術大学音楽学部作曲科を去年卒業されたばかりの、久野飛鳥さんが弾いてくださっています。
 飛鳥さんには、開場中の15分、終演後の15分、thinking timeの1分と15秒、多岐川装子さん演じる占い師に合わせて1曲、カーテンコール、と弾いて頂いてます。開場の音楽は「朝にふさわしい爽やかなフレンチポップス系」というザックリした私の丸投げオーダーを、、、ってここまで書いて気づいたけど、私終演後の曲について何もオーダーしてない気がする。。。おいおい!私!!でも今のところの4回公演は素敵な音楽が奏でられていた。。。あれは飛鳥さんチョイス・・・?最高じゃんか!飛鳥さん最高じゃんか!!!
 飛鳥さんは、物静かで穏やかで、でも必要なことはしっかりきっちり質問したり確認したりして下さって、自立していて、だからお任せしっぱなし(おい私!)。。。そしてなによりも、技術力も対応力も高いので、ここはもっとこうしてみたい、こんな風にするにはどうしたら良いですか?など、私がふんわりぼんやりの説明しかできなくても、丁寧に応えその場で様々な提案をして下さる。とても助かりましたし、飛鳥さんのおかげでとても素敵な作品空間になりました。
 ここで<日替わりネタ>をひとつバラします!多分お客さんのどなたにも気づかれていない話です。わかるかな?自分の心に手当てて考えてみ?作品中にthinking timeが2回あります、1回目は1分間で2回目は15秒間、1公演につき1分15秒のthinking time。そして9回公演あるので、thinking timeは全公演で約11分15秒。この11分15秒で1曲を弾いて頂いています。曲は「モーツァルト ピアノソナタハ長調 K. 545」。全公演通して、同じ箇所を弾くことは2度とない。同じ箇所を聴くことも2度とない。そして、占い師の「やめー!」という掛け声と共に弾くのを止め、次に弾く時は、その止めた場所から弾いていただいてるのです。どこで占い師の「やめー!」という掛け声がかかるかわからない。頭おかしいでしょこんなヒヤヒヤするオーダー!そんな!ザックリしたりヒヤヒヤしたりのオーダーを心良くお引き受けくださったのが、久野飛鳥さんなのです!!最高じゃんか!!!!!(続く)
第四話『劇場公演とカフェ公演の違い』
​ 私は今まで、自分が主宰するチームホッシーナで、カフェ公演やクリニック公演、学校公演など、劇場以外でも演劇を創ってきました。劇場で演劇創るのも楽しいけど、劇場じゃない場所で創る演劇は、劇場で当たり前のことが出来なかったりルールが違ったり大変なことも多いけど、でも楽しいです。なにが楽しいのかなぁって考えてみると、劇場以外で創る時は、その場を活かせる、ってことですかね。その場所が私の創造と想像を刺激してくれる。今回の有楽町microさんで言えば、大きな窓ガラスに囲まれていて、大きなスクリーンを上げ下げすることができて、天井が高くて広くてお洒落、というのは大きなポイントです。
 劇場は、基本的には、舞台があって、客席がある。舞台に照明があたって、客席は暗い。舞台と客席は違う空間という前提で物語が進む。でも、カフェやクリニックなどは大概は照明というか明かりはオンとオフしかないし、フェーダーで明かりを調整することもできないし、地明かりといってその場所に元からある照明器具を使います、天井の蛍光灯とか。もちろん、持ち込めば良いんですけど、カフェ公演は規模が小さくチケット代もお手頃なので予算が少ない、それに、劇場以外で演劇やるのに劇場と同じことしてもつまらないでしょう?劇場通りに行かない感じとか不便な感じとか全部ひっくるめて楽しいし、だからこそ何か面白いアイデアを見つけたいし、どうやってこの場を活かせるだろうって考えるとワクワクする。気分がキラキラーン☆ってする。
 ここまで書いて思ったけど、劇場以外の場所で演劇創るのが好きな理由のひとつって、演劇の原始的な体験というか、それが好きなのかも。莫大な予算で超豪華なセットや照明や衣装があって、そんなん面白い作品創れるに決まってるじゃん(決まってないし、莫大な予算があっても爆裂に面白いとは限らない、のが演劇の面白いところ)。でも、演劇の1番大事なことって、物語を伝えるってことだと思うんですよ、物語を楽しむ、物語を味わう。その物語をより豊かにより効果的により面白くしていくのが、照明であり衣装であり音響であり美術であり。でも、物語を伝えるということを1番シンプルに実践できるのが、劇場じゃない空間ってことなのかも。と、書きながら思いました。どうかな。
とはいえ、爆裂な予算で舞台創る機会を頂けたらそれはそれで猛烈に楽しむと思うけど。(続く)
 
第五話『密かな設定について』
​ 今日は、お客さまにご質問頂いた『作品の中で舞台上では明らかにされていない、稽古中に決めた密かな設定などありますか?』にお答えします。
 私が演出する際、その役を演じる俳優とキャラクタートークをして、細部に至るまでバックグラウンドや動機などを話し合って役を豊かにし、役のリアリティを増やし濃くします。その詳細が舞台上で披露されることが目的ではなく、俳優の役への理解を深めて豊かにする、そしてその俳優を通してその役や物語を見るお客さんの理解を深めて豊かにする為です。その効果としては、その役がリアリテイを帯びることで、「本当にそこに居る人物」として認識できるようになり、「演じられている架空の人物」ではなく、「その世界に生きる現実の人物」と思える、信じられる。「こういう人いるな」「私にもそういう部分あるな」と、お客さん自身の「わかる」を増やすことができるのです。この「わかる」というのは、腑に落ちるってことかな、頭じゃなくて体感として理解できるっていうことです。
そして、何時間もキャラクタートークを重ねることで、1色ではなく様々な色を持ち合わせた複雑な役に創りあげることができる。人間は多面的で複雑です、でも全ての役が複雑に書かれている訳ではありません、でも、現実の私たちは複雑なのです、とっても。だから、なるべく複雑な役として描きたい、書く時も演出する時も。とはいえ、その複雑さの全てを舞台上で披露する訳ではありません。舞台上でその複雑さの一部を見せる、または溢す為に、お客さんに「わかる」と感じて貰う為に、その何倍もの複雑さを創り上げ持ち合わせなくてはならないのです。
 ただ、今作の場合、そういったキャラクタートークはしてないと思います、多分。したかな?いや、してないと思う。なぜしてないかというと、、、なんでかな?当て書きだから??それとも、今作のタイプというかジャンルの問題???
 でも、私の中で考えた役の設定があります。小早川さんのタイガは「探す人」、関根さんの就活生は「戻る人」、多岐川さんの占い師は「与える人」、妃白さんのお店の人は「変わらない人」という位置付けです。この「変わらない人」という人を描いたことが、描けたことが、今回の私の1番大きな学びであり収穫であり成長であると思っています。この話は、またいつか(するかもしれません忘れなければ)。よろしキュンキュルリ〜ン♡(続く)
第六話『コメディが好き』
​ 私はコメディが好きです、コメディ+ドラマ=ドラメディというジャンルが好きだし得意です。創るのが得意。観るのも得意。
理由はいくつかあって、第一話でも書きましたが、自分がお客さんの時、せっかく自分のお金と時間を使って舞台を観るなら楽しい方が良いな笑えるなら尚良いなと思うからです。だって、楽しい方がいいじゃないですか、生活でも人生でもつらいことも苦しいことも哀しいことも十分にあるのだから。私は楽しい時間を過ごしたい。その時間で笑えるなら尚良い。
それと、笑うという行為の強さへの信頼、憧れっていうのもある。笑うって強いよ。笑えるって強い。笑わせるなんて超高度!どんなに疲れてたってどんなに哀しくたってどんなに怒ってたって、笑えるんだよ。その瞬間に、たとえ一瞬でも、気持ちはホワンってしちゃう。あれすごいよね。あの瞬間を体験するのも、体験してる人を観るのも好き。人が笑ってるのが好き。自分が笑うのも好き。
とはいえ、シリアスドラマも創ってます、いただく仕事は書くのも演出もコメディの方が少ないですね。まぁ、私はどんな作品でも面白をねじ込んでますけどね!こっそりね!なんとかねじ込んでますよ!笑いが1ミリもない人生のキャラクターなんてつらいから!!実は英語の作品では、どんなシリアスな本でも面白シーンが大概あります。どんな悲劇でも笑える箇所が必ずある。私が英語作品を好きな理由の一つです。
私が好きなのは所謂良質なコメディ作品、ウェルメイドと呼ばれるジャンルですかね、作家で言えば、やはりニール・サイモン。超王道ですが、ニール・サイモンの影響は受けてると思う。てゆうか、受けてたいという願望!それと、アラン・エイクボーンやレイ・クーニー、ノエル・カワードなどの王道も好きですが、私はアメリカ寄りなので(アメリカに11年住んでいたので)、アメリカ人作家の方が性に合ってて好きです。でもみんな古い人たちばかりだね。。。あ、最近で言えば、「FLEABAG」のフィービー・ウォラー=ブリッジは天才だと思うよ、イギリス人だけど。いや彼女は天才だよ。(その②に続く)
第七話『コメディが好き その②』
​ その②ですが、コメディを好きな理由は複合的だし、文字で説明するのは難しいっていう言い訳を先にしておきますね!じゃあ今から証明するから。
コメディが好きな他の理由としては、他者と時間と空間を共有してひとつの物語を観て、ドンって笑いが起きることの奇跡。観る側でも創る側でもあの奇跡に立ち会える奇跡。あの奇跡を積み重ねたい。あの奇跡が溢れ返る作品を創り、あの奇跡で満ちた劇場を作りたい(劇場を作りたい訳ではない)。
あの瞬間はねぇ、鳥肌立つよ、わわすすすげぇぇぇ!ってなるよ。私が好きなのは状況を積み重ねたり台詞を練り上げた演劇的な笑いなのですが、それで笑いが起きるってことは、お客さんが物語に没入してる、理解してるという証拠で、だからそれにも感動するんです。お客さんと面白を共有できた幸福感。この面白が伝わった・・という安堵感。いやもうほんと、最高っすよ。
例えば、今作で言えば占い師が「えー私娘もいたんかいな」という台詞がありますが、この台詞を言うまでの占い師のキャラクターや、この台詞の直前の他の役とのやり取り(詳しく書けなくて超曖昧な説明でごめんやで)をお客さんが理解してる必要があるし、早口に言っても笑いは起きないし、質問として言っても、オドオドしても笑いは起きなくて、絶妙な「自分のこととして知ってないとおかしい事実をまるで人ごとかのように本気で驚く」のバランスで占い師が言うことの面白さ。って!文字で説明してもなんも面白くないなおい!観たら!面白さが!伝わるから!観て?(既に観てくださった方は占い師のあの面白を思い出してください、もしくは、もう一度観てください)
第八話『それぞれの役について』
​ 私は基本的には当て書き派です。キャストが決まってから書く。キャストが決まっていない作品を書く時は、脳内キャスティングしてから書きます。喋る人を想像すると、脳内でセリフやシーンが思い浮かんでキャラクターが動き出すのです。ご本人を活かして書く時もありますが、必ずしも、そのセリフを言う俳優がそういう人だという意味ではありません。この俳優がこういう事を言ったら面白いだろうな、この俳優のこんな感情・表情を見てみたいな、という私の自由気ままな想像による当て書きです。楽しいことは、見つかるよ。
 第五話にかぶる話もありますが。多岐川さんは数年前から私の作品で大阪弁強めの占い師役を演じて頂いていて、人気キャラクターでもありますし、なにより多岐川さんが大らかで暖かい方で役にピッタリなので、今回も占い師役でお願いしました。(次ネタバレ書くよ!)関根さんも数年前から私の作品でマポリン役を演じて頂いているのですが、違う役にする?とふんわりご本人に尋ねたところ、マポリンに愛着もあるし他の役にも興味がある、とのことだったので、前半をマポリンから遠いイメージの就活生、後半をマポリン、として演じて頂くことにしました(いや正確にはずっとマポリンだけど)。小早川さんは、私のオリジナル作品に出て頂くのが初めてなので(正確には初めてではないのですが、保科由里子らしいザ・オリジナル作品としては初ですね)、どんな役をやりたいか聞いたところ、たくさん職業名を挙げてくださった中で、将軍というのがあったこと、大河ドラマを目指して乗馬を習っていることを知っていたこと、そして多岐川さんと同じく大阪出身であること、の三点からあのタイガという役が生まれました。
そして妃白さんですが、妃白さんは2年くらい前から知り合いでも、作品でご一緒させて頂くのは初めてで、だから、実は、妃白さんのキャラクターを書くのが1番難しかったです。他の方ほど知らないということ、それと、私の中の妃白さんはとても真面目で物静かで控えめな方だったので、その域をなかなか越えられなかったのです(私の想像力の問題です)。でも、その真面目で物静かで控えめな妃白さんが、舌打ちしたら面白いな、〜じゃねえよ、って言ったら面白いな、と思ったところから、表立っては強く言わないけど反発したりムッとしたりする思いは実際は持っているキャラクターとしました。この私の勘は当たったと思うよ!妃白さんのセリフに「一緒じゃねぇよ」ってセリフがあるんですけど、これがまぁビックリするほど不自然なんですよ!その言い慣れてない不自然さがおもろかわいくて最高です。(続く)
第九話『日替わりネタの結末』
​ ついに最終話となりました。今日は、作品のネタバレ?的なことを書きたいと思います。
 まず、この連載中にも書きましたが、キャストに関する日替わりネタは、

●タイガのカレンのエアー乗馬:9日間かけてカレンに乗りました。最終日にカレンに乗れました!
●マポリンの改名:毎公演ガチでやりました。キャストに負担が掛かるので仕込みを提案されましたが、私が拒否したため、みんな毎回ガチで改名のシーンに挑みました。
●占い師の3O(サンオー)レシピ:ご紹介していただいたレシピは全て、占い師役の多岐川装子さんご自身のご提供によるものです。カンパニー内でも好評でした!

で、「探す人」のタイガは探し人(さがしびと)であるかあさんにエアー乗馬で自分の夢の本気度を伝える。「戻る人」の就活生は、自分らしくいられる地下アイドルのマポリンに戻り改名する。「与える人」の占い師は3Oレシピを教える。そして、「変わらない人」のお店の人は劇中で変化しない、としています。とはいえ、「変わらない」を選択することで「変わった」のかもしれません。「変わらない」人なんていないものね。しゅんぴーす、まほちゃん、装子さん、ゆあさん、ありがとうございました。
 
ピアノ演奏の久野飛鳥さんに関する日替わりネタは、

●第三話をご一読くださいませ。本日の千穐楽、2回目のthinking timeで弾き終った時の長距離マラソンを走り切った達成感は感動ものでした(私はなにも弾いてないくせに!)。飛鳥さん素晴らしかった!飛鳥さん、ありがとうございました。
ちなみに、もしかしたら時間が余るかも、という疑惑が起き、8日目だけ2回目のthinking timeが25秒なのです!気づいた方おられるかしら。

●開場中と終演後には、即興を混ぜながら下記の曲を弾いてくださっていました(上の6曲がよく弾いておられた曲です)。

♪The birth of the Blues
♪On the sunny side of the street
♪Stars fell on Alabama
♪Misty
♪C'est si bon
♪Waltz for Debby
♪Always
♪As long as I live
♪Broadway
♪Singin' in the Rain
♪Moon river
♪Cheek to cheek
♪Tea for two
♪Don't be that way など
 
 そして、ゲストの樋口麻美さん、岸祐二さん、悠未ひろさん。お三方には、真実でも真実じゃなくても構わないが、あまりにもご自分からかけ離れたご相談内容ではなく、少なからずご自身から出てでくるご自身らしい内容でお願いしたい、とお伝えしてありました。

●樋口さんは、稽古時にご相談内容を大方決めました。
●岸さんは、自分で考える、と仰ったので完全にお任せしました。(キャストも私もその場で初めて内容を知った)
●悠未さんは、ご自身で考えてくださったご相談を事前に確認させてくださいました。(キャストはその場で内容を初めて知った)
​
 このゲストさんコーナーは毎回盛り上がる、楽しいシーンでした。オンライン出演を楽しんでくださった、樋口さん、岸さん、悠未さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。
 
そして、音響の小川さん、協力の金益さん、スーパー助っ人の映像の垣内さん、インターンのりおちゃん、くわちゃん、せんちゃん、お手伝いのみずきくん、さわさん、やなぱぱさん、有楽町microのオーナー山本さんと長谷川店長とお店のみなさま、主催のTheatre at Dawnの平野さん、本当にありがとうございました。
 
 最後に、私からお客さんへのメッセージとして台本に書き込んだ台詞をひとつ書き記します。
「そうやったんか、元気でおったんやな、こうしてお客さんと再会できるんは、ホンマ嬉しいことやわ。時間があいてしもても、ご縁があればまた会うことができる。ありがたいことやなぁ」
 
 みなさま、リアル観劇も配信観劇も本当に本当にありがとうございました。ハッピーライフ〜!!
 
2021年6月23日 保科由里子

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【公演に関するお問い合わせ】
Theatre at Dawn(theatre.at.dawn@gmail.com)

OPERATED BY

夜明けの劇場 Theatre at Dawn

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丸の内朝大学企画委員会
​GOOD DESIGN Marunouchi


丸の内朝大学

2020 ミュージカルの素クラス
​2018 ミュージカル堪能クラス
2017 ミュージカル発見クラス

2016 ミュージカルFANクラス
2015 ミュージカル鑑賞クラス
2014 ミュージカル観劇クラス
​

ミューケンシップ 

2019 ミュージカルゼミナール#2
2019 ミュージカルゼミナール
​
2018 丸の内・日比谷ではじめる劇場体験

​

ミューケンプレス!

​

クラス委員ブログ

2018 ミューケンシップ 
2017 発見クラス

2016 FANクラス
​2015 鑑賞クラス

2014 観劇クラス
​

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